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黒猫 サビ猫 毎日が三拍子

人生は三拍子、ときに変拍子。

ソノダさんの「お願い」

ふつうの日常

午前中だけ管理人の仕事をしているマンションの、4階に住むソノダさん(仮名)から階段ですれ違った時に、

「お願いがあるの。郵便ポストに新聞がたまっていたら様子を見に来てね。一人でこんな風に(と、両手をまっすぐに前に突き出して)、お台所の前で倒れて、死んでいるかもしれないから」

と頼まれた。

ソノダさんは一人暮らしの女性。年齢は70代後半くらい。息子さんがいらっしゃるが、遠く離れた街で暮らしているので会えるのは年に二度程だという。

とはいえソノダさん、まだまだお元気で「運動不足になってしまうから」と、週に2回のゴミ捨て時にはいつもエレベーターではなく階段を使っている。

わたしが箒を手に「あら、ソノダさん、こんなにお元気なのに」

と笑いとばすと、

「そんなことないのよ。まわりのお友だちがね、どんどん亡くなっていくの、近頃」

と真剣な顔。

これはちゃんと答えなくちゃと、わたしは笑顔から真顔に変えてソノダさんの顔をまっすぐに見て言った。

「大丈夫ですよ。ご心配なく。わたし、ちゃんと新聞、見てますから」

ソノダさんは、わたしの言葉に、ようやく安心したように笑顔になった。

 

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