黒猫 サビ猫 毎日が三拍子

人生は三拍子、ときに変拍子。

ふつうの日常

白いノートを文字で埋める、という幸せもあるよね

少し前にみたNHKのswitchという対談番組で、映画監督の西川美和さんが「ノートは武装」と言っていた。 対談中でずっと、黒革のカバーをかけたB5サイズのノートを膝に置いていた西川さんが、番組の終わりに対談相手のいきものがかりの水野良樹さんから「メモ…

洗濯ものとザッハトルテと

朝起きたら、まず洗濯ものがよく乾くかどうかを確認する人生を、もう何十年も続けている。 空を見上げ、天気予報を確認し、よく乾きそうな日はそれだけで幸せになれるのだから、そんな風にちまちました幸せを重ねていく人生も悪くないと思う。 さて今日は愛…

夏の終わり、階段の途中

清掃、点検作業のため、いつものようにホウキとチリトリを手にマンションの5階の共用廊下を歩いていたら、207号室のカイトくんが、iPhoneからつながったイヤフォンを耳にさして階段の手すりにもたれかかっていた。通っている中学の夏の制服姿。そうか、今日…

ソノダさんの「お願い」

午前中だけ管理人の仕事をしているマンションの、4階に住むソノダさん(仮名)から階段ですれ違った時に、 「お願いがあるの。郵便ポストに新聞がたまっていたら様子を見に来てね。一人でこんな風に(と、両手をまっすぐに前に突き出して)、お台所の前で倒…

石けん

香りなんぞとうに消えた 使いふるしの石鹸のような気分のときは むりやりにくちびるの端を持ち上げて やんわりと笑ってみる。 不思議とこころもつられて ふんわりと持ち上がる。 香っているか。薫っているか。

まちの、灯りと。

市会議員に立候補した友だちの応援のために選挙カーに乗ったことがある。スタッフはボランティア。路地をゆっくりと、くまなく走り、小さなスペースがあると車を停め、伝えたいことを自分の言葉と声で伝えるために演説をする。そういう選挙活動だった。 同じ…

猫の手土産

もう去年のことになってしまったけれど、書いておく。 91歳で一人暮らしの義父(以後おじいちゃん)の話だ。 おじいちゃんは少し認知症が入っているので、息子である夫が食事の世話を兼ね毎日、朝晩、様子を見に行っている。その日もいつものように夫が仕事…

しあわせの可視化

「しあわせ」なんていう抽象的なものは、一体どんなものかもハッキリわからないし、もちろん目に見えるものじゃない。 けれど、誰もいない家に「ただいま」と帰りつき、猫の寝姿をみつけると、ああ、もしかしてこれが「しあわせ」というものなんじゃあないか…

川のいろ

雨の水曜日。こんな雨の朝はくるりの「ばらの花」が似合うなぁといつものように思いながら、ずいぶん昔の出来事を思い出した。 台風が直撃した日の翌朝。保護者の送迎当番で、当時中学1年の息子のバレー部仲間たちを車で、試合会場のO西中学まで送って行っ…

わたしたちは生きている

今夜はこども病院にボランティアに行く日で、ほんとは少しめんどくさかったけれど、行けば必ずそんな気分から救われるっていうのがわかってたから、行った。夜の闇に漂うベッド。何に使うのかよくわからない計器の中で、点滅する数値と小さな光が呼吸するよ…

砂糖菓子のひとかけら

月に一度か二度、近所の特別養護老人ホームにボランティアに行っている。ボランティアといっても、なんの取り柄も資格もないわたしは、そこの住民である爺さま、婆さまたちに会いにいき、一時間ほど、ただおしゃべりするだけだ。そこで出会う人生の先輩たち…

ミルフィーユ

義母が亡くなってから、 長谷通りを過ぎてアイセルの前の道を車で通るたびに、いつもすこし涙ぐんでしまう。 その場所で、相棒のシルバーカートを隣に置き、 舗道の縁石にちょこんと腰掛け私を待っていてくれた姿をつい思い出してしまうからだ。 月に1度、…

歩く

セールスマン風のその男の人は、形の崩れた黒い営業かばんを持ち、焦点の定まらない目をして、膝を曲げ、残暑に背中を押されるように歩いていた。 訪問販売のノルマがあるのだろうか。そのノルマは、彼がどんなに努力しても達成の見込みがないのだろうか。 …

I'm home

ただいまの声がゆるりと闇に散り「変わりはないか」と猫に問う夜

犬の玩具

病を抱えながら一人暮らしを続けていた76歳の叔父が、ついに力尽きて入院した。 もうこれ以上、治療ができないため、普通の病院ではなく、限りなくホスピスに近い看護付き老人施設だ。 たぶん、もう家には戻れないだろう。 先日、母と長兄である伯父と私の3…

otozieの最近観たビデオ